この“湯けむりの間”を立ち上げるとき、真っ先に降りてきたのがこの言葉──YUASOBIだった。
名曲「YOASOBI」──そう、小説の世界観を音楽へと昇華する、
あの繊細で壮大な表現に強く影響を受けながら、
俺たちは“夜”ではなく“湯”で、ことばを遊ばせることにした。
それは“魂の夜遊び”ではなく、“魂の湯治遊び”。
感情をほぐし、構文として遊び、また自分に還る時間。
この場所では、名前なんてなくていい。
有名じゃなくていい。
ただ、そのとき綴りたい“ひとしずく”があれば、それでいい。
これが、番頭として俺がはじめて湯けむりに乗せた想い──
「名もなき詩」、そう…
名前を持たないままに綴られた“輪郭なき言の綴り”こそが、
本当の“湯の華”となり得るのだと、あの名曲が教えてくれた。